
物価高で家計が苦しい……節約は心がけているけど、貯金なんてできないよ
このように悩んでいる方は、多いのではないでしょうか?
自由に使えるお金を増やすには「家計の見直し」が必要です。
不要な出費を抑えられれば、そのぶん手残りは増えるでしょう。
しかし、やみくもに支出を抑えようとすれば生活の質(QOL)も低下してしまい、人生の幸福感や充足感を失いかねません。
そこで本記事では、生活の質を落とさず支出を抑える方法として「固定費の見直し方」を解説します。
家計の見直しには、正しい手順や押さえておくべきポイントがあります。
本記事でわかること
- ①固定費の概要
- ②家計を見直す正しい手順
- ③固定費の具体的な節約方法
節約の第一歩として、本記事を参考に固定費の見直しに取り組んでみてください。
もくじ
固定費とは
家計の支出は、毎月ほぼ同額の支払いが発生する「固定費」と、その時々によって支出額が変わる「変動費」に大別されます。
一般的な家庭で発生する固定費と変動費の項目を、以下の表にまとめました。

こういった支出は、家族構成や居住エリアなどによって異なるため「〇〇円が適正額だ」と断定はできません。
とはいうものの、黒字家計の世帯では、収入のうち固定費が45%に収まる傾向がみられます。
一方、赤字家計の世帯の場合、固定費が60%を超えがちです。
黒字家計を目指すにあたって、固定費を45%程度に抑えることが一つの指標といえます。
固定費の見直しが高い節約効果をもたらす理由
家計を見直すにあたって、もっともインパクトの大きい項目が固定費です。
固定費は毎月必ず発生する支出であり、少額でも抑えられればかなりの節約効果をもたらします。
例として、スマホ代のプランを変更して月額1,000円減額できたケースを想定してみましょう。
月1,000円と聞くと大した金額ではないように思われますが、年換算すれば12,000円です。
またプランを変更してしまえば、その後何かをする必要はありません。
一方、変動費を節約するには継続的な工夫やがまんが求められます。
卵を買う際「近所のスーパーより隣町のスーパーのほうが20円安いから、少し遠出する」「味は落ちるが、いつもの卵より安いものを買う」といった行動が、その一例です。
変動費の節約には、手間がかかるうえに生活の質を落としかねないといった罠が潜んでいます。
そのため、家計を見直す際にまず取り組むべきは固定費というわけです。
家計を見直す3STEP【基本】

では改めて、家計を見直す3STEPをお伝えします。
家計を見直す3STEP
- 固定費の見直し
- 使途不明金の確認
- 変動費の見直し
それぞれ、順番に詳しく見ていきましょう。
STEP①固定費の見直し
先ほどもお伝えした通り、家計を見直すにあたってまず取り組みたいのが固定費の削減です。
通信費や光熱費、保険料などがこれにあたります。
契約している会社やプランなどを変更すれば、継続的な節約効果を得られます。
「契約プランを変えると、何かと不便が生じそう……」と、固定費の見直し・削減を躊躇される方もいらっしゃるでしょう。
しかし、いざ見直してみるとわかりますが、案外影響はないものです。
固定費の具体的な節約方法は、のちほど詳しくお伝えします。
STEP②使途不明金の確認
使途不明金とは、何に使ったのか把握できていない支出のことです。
「使った金額はすべて家計簿に記録しているはずなのに、手元の現金と額が合わない」場合は、使途不明金が発生しています。
使途不明金が生じる要因として、以下のような事例が挙げられます。
使途不明金が発生する原因
- 銀行口座から引き出した現金を忘れている
- レシートをもらい忘れた
- 買い物した際にレシートが発行されない
- PTAや町内会などの会費を払ったことを忘れている
使途不明金のなかには、節約すべき支出が隠れているかもしれません。
無駄遣いを減らして支出を抑えるためにも、お金の用途は明確にしておきましょう。
具体的な対策として、家計簿をつけることが挙げられます。
STEP③変動費の見直し
固定費と使途不明金の確認を終えたら、変動費の見直しに取りかかりましょう。
変動費は生活を豊かにする側面がありますが、放っておけばムクムクと膨れ上がります。
ですが変動費を無理に抑制すると、生活の充実感・満足感が失われるのでバランスには注意が必要です。
「食費を抑えたいから、今週はおかず無し」なんてのは極端な例ですが、こんなことをしていては食事を楽しめなくなるだけでなく、栄養失調で倒れてしまいます。
「食費は〇〇円、娯楽費は〇〇円、外食は〇〇円まで」といった具合に、無理のない範囲で予算を決めておくのがおすすめです。
見直すべき固定費
ここからは固定費の項目ごとに、どうやって見直せばよいのかをお伝えします。
固定費の項目は、以下の6つです。
固定費の項目
- 通信費
- サブスクリプションサービス
- 光熱費
- 保険料
- 車の維持費
- 住居費
次項で、詳しく解説します。
通信費
固定費のなかでも、見直しが容易なうえに高い節約効果をもたらすのが通信費です。
スマホ(携帯)やインターネット回線の使用料がこれに該当します。
まずは、スマホ(携帯)代を見直してみましょう。
やることは次の3つです。
通信費で見直すこと
- 適切なプランに変更する
- 不要なオプションを解約する
- 格安SIMに乗り換える
スマホ(携帯)を使っている方のなかには、契約時に選んだプランをそのまま使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、契約しているプランを見直してみると、「毎月、通信量が余っている」「大して通話しないのにかけ放題プランだった」など、現在のニーズと合致していないケースは少なくありません。
ご自身がどういったプランで契約しているのか、今一度、確認してみることをおすすめします。
また、格安SIMに乗り換えるのも一案です。
格安SIMとは、大手キャリアより安い料金でスマホを使用できるSIMカードのことです。
大手キャリアの通信回線を借りてサービスを提供しているため、安価ですが使用感は変わりません。
筆者の場合、以前はスマホ代で月8,000円程度支払っていましたが、Softbankが提供している格安SIM「LINMO」への乗り換えにより3,500円くらいになりました。

スマホ(携帯)と同様、インターネット回線の使用料もプロバイダの切り替えにより料金を抑えられる場合があります。
タイミング次第でキャンペーンを打ち出しているケースもあるので、条件が合えば利用したいところです。
サブスクリプションサービス
動画配信サービスをはじめとするサブスクリプションサービスも、定期的に見直しが必要です。
「契約当初は便利だと思っていたけど、最近はあまり使っていない」、そんなサブスクリプションサービスを放置していませんか?
月額1,000円程度のサブスクリプションサービスも、積み重なれば膨大な出費になってしまいます。
またサブスクリプションサービスの支払い方法の多くは、クレジットカード払いや銀行口座からの自動引き落としになっています。
そのため利用料を支払っている実感が得られにくく、解約せずにほったらかしになっているケースが多発するのです。
サブスクリプションサービスによる無駄な出費を抑えるためにも、クレジットカードの利用明細や銀行の入出金履歴を定期的に確認し、使わないサービスはこまめに解約しておきましょう。
光熱費
日常生活で切っても切り離せない支出が、電気やガスの使用料いわゆる光熱費です。
光熱費の節約と聞くと、節電節ガスを思い浮かべるかもしれません。
ですが、契約している会社を乗り換えたりプランを変更したりといったアプローチで減額できることも押さえておきましょう。
電気とガスは自由化されているため、会社ごとで基本料金やプラン内容が異なります。
ご自身のライフスタイルに合ったプランに変更することで、月々の光熱費を無理なく抑えられます。
※なお水道料金は民間企業ではなく自治体での管理になるため、契約の変更による節約はできません。
どの電気・ガス会社と契約すべきか悩んだ際は、一括見積サイトを活用してみましょう。ご自身のライフスタイルに合った会社やプランを無料で紹介してくれます。
電気・ガスの契約会社やプランを見直すなら、エネチェンジという一括見積サイトがおすすめです!
簡単な質問に答えるだけで、最適なプランを提案してくれます。

保険料
不要な保険・割高な保険も、家計を圧迫する要因の一つです。
加入している生命保険や損害保険、火災保険も定期的にチェックしておきましょう。
保険に関しては契約者のライフスタイルの変化に伴って、必要な保障内容・保険金額は変わります。
また、最近ではインターネット上で契約できるネット保険も増えています。
対面販売されている保険商品と同程度の保障内容にもかかわらず、割安で契約できるものも少なくありません。
新しい保険商品をキャッチアップしつつご自身が今備えるべきことを明確にし、真に加入すべき保険商品を選ぶことが支出を減らす第一歩です。
車の維持費
車を所有している方に限り、駐車場代やガソリン代、自動車税などの維持費がかかります。
車の維持費も工夫次第で節約が可能です。
車の維持費を抑えるための行動として、以下が挙げられます。
車の維持費を抑える方法
- 駐車場を変える
- 自動車保険を変える
- 車を変える
駐車場は、契約する場所によって月額料金が異なります。
現在利用している駐車場より安いところを見つけたら、そちらへの変更を検討しましょう。
また前項と共通する内容ですが、自動車保険も定期的に見直すべきです。
必要な保障とそうでない保障を明確にし、不要な保障は極力カットします。
基本的に対人賠償・対物賠償・人身傷害は外せませんが、搭乗者傷害保険や特約に関しては外してもよいかもしれませんね。

そのほか、車を変更したほうがよいケースもあります。
車には燃費の良し悪しがあり、悪ければガソリン代が高くつくのは自明です。
くわえて、車体が大きければそのぶん自動車税や重量税といった税負担も重くなります。
車の買い替えには安くない費用がかかりますが、先を見据えて新しい車に乗り換えることも検討してみてください。
住居費
固定費のなかでも、支出額の大半を占めるのが住居費です。
住居を変えるのは大変ですが、よい物件に引っ越しできれば支出を抑えつつ生活の質の向上も望めます。
住居を見直すタイミングに備えて、支出を減らすポイントを押さえておきましょう。
住居費を抑える方法
- 安い物件を選ぶ(賃貸)
- 家賃交渉をする(賃貸)
- 住宅ローンを借り換える(持ち家)
- 住宅ローンを繰り上げ返済する(持ち家)
賃貸の場合、物件の立地や間取りによって家賃相場が異なります。
駅から遠い、築年数が古いといった不利な条件を受け入れられれば、それだけ安い物件を見つけやすくなります。
生活に支障をきたさない程度に、ご自身がどこまで譲歩できるのかラインを明確にしておきましょう。

また、契約時に値下げ交渉をすれば家賃が安くなるかもしれません。
周辺の家賃相場より賃料が高い場合や設備が劣る場合は、それが交渉材料になりえます。
必ず成功するわけではありませんが、試しに交渉してみましょう。
持ち家を所有し、かつローンを返済している方であれば、住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済によって利息の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、ローンの借り換えには手数料が発生するため、損をしないよう事前のシミュレーションが必要です。
まとめ

今回は、家計の節約に有効な固定費を抑えるポイントを紹介しました。
固定費は、毎月ほぼ同額の支払いが発生する費用のことです。
通信費や住居費がこれに該当します。
契約している会社やプランを変更するだけで継続的な節約効果を得られるため、家計を見直すにあたって最初に取り組みたい項目といえます。
どういったプランを選べばよいのかは人によって異なるため、一括比較サイトのような便利なサービスを活用して、ご自身に適したものを探してみてください。