
来年を目標に、起業したいと考えています
失敗したくないのですが、今のうちに学んでおくべきことってありますか?
起業されるなら、経営学を学んでみてはいかがでしょうか?
経営学は会社経営の基礎となる学問であり、経営戦略やマーケティングなど、事業運営に欠かせない知識を体系的に学べます。
そこで今回は、経営学とはどんな学問なのかをざっくり解説します。
本記事の内容
- 経営学とは
- 経営学の基礎知識
- 経営学を学ぶメリット
- 経営学を学ぶ方法
これから事業を興す方はもちろん、現在副業に取り組んでおり、いずれ独立したいと考えている方もぜひご覧ください。
経営学とは

経営学は、企業を主とした組織の持続と発展を目的とし、あらゆる課題の解決策を考察する学問です。
心理学や経済学など、幅広い分野の理論を応用し、ヒト・モノ・カネの管理や利益の最大化、業務の効率化を図ります。
その名の通り、組織の経営に役立つ学問ではありますが、日常生活で起こりえる問題にも応用が可能です。
意見が食い違った際の対処や、部活の後輩に練習を促したいとき、自身のモチベーションの向上を図るシーンなどがその一例です。
なお、フレデリック・テイラー氏が1911年に出版した『科学的マネジメントの諸原理(The Principles of Scientific Management)』が、経営学の始まりだとされています。
200年以上の歴史がある経済学や医学、哲学などと比べると、経営学は比較的新しい学問といえます。
経営学を学ぶ目的
経営学を学ぶ重要な目的の一つは、営利企業を軸とした経営戦略やマーケティングなどを知り、対象とする組織の状況を正しく理解することです。
組織の置かれている状況が理解できれば、適切な戦略や対処法を打ち出すことも可能になるでしょう。
その結果、売上の向上や労働環境の改善が叶い、組織の持続と発展につながるわけです。
個人が経営学を学ぶことで、起業やキャリアアップの足掛かりになり得ます。
経営学と経済学の違い
経営学と経済学は名称が似ており混合されがちですが、異なる学問です。
まずは、経営と経済の言葉の意味を見てみましょう。
経営と経済の意味
- 経営……事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること、また、そのための組織体
- 経済……人間の生活に必要な財貨・サービスを生産・分配・消費する活動。また、それらを通じて形成される社会関係
引用元:Weblio国語辞典
2つの言葉の意味を比べると、研究対象が違いがわかります。
経営は組織(企業)の事業運営を対象としているのに対し、経済は社会の経済活動自体を対象にしています。
とはいえ、経済学のなかでも企業の経済活動に焦点を当て、いかに組織を成長・発展させるかも検討されることから、経営学は経済学の範囲に含まれるともいえるでしょう。
経営学の基礎知識

経営学は多岐にわたる科目で構成されていますが、そのなかでも重要なのが以下の4つです。
経営学の基礎知識
- 経営戦略
- マーケティング
- 経営組織論
- 会計学
各科目ごとに、どういったことを学ぶのか解説します。
経営戦略
経営戦略は、競争優位性を獲得し、組織・事業の目的を達するための方針を定めるのに必要な知識を学ぶ科目です。
戦略を策定する階層や目的によって、企業戦略・事業戦略・機能別戦略の3つに大別されます。
企業戦略は、どの事業に注力するか、どのような成長を目指すのかなど、会社全体の方向性を定める段階です。
経営理念やビジョンの設定および組織内への浸透、M&Aが挙げられます。
事業戦略では、事業ごとに競合やターゲットを定め、競争に勝ち抜くための方針を定めます。
企業戦略が多くの事業を束ねる戦略を指すのに対し、事業戦略は個々の事業レベルの戦略を指す場合が大半です。
商品や事業モデルの開発、特定市場の分析がこれに含まれます。
機能別戦略は、事業戦略を実現させるための施策を機能別に落とし込み、戦略を策定する段階です。
営業戦略や財務戦略、人事戦略や物流戦略などが該当します。
これらの戦略は、経営理念やビジョンとの一貫性・整合性をもたせることが重要です。
マーケティング
マーケティングは、顧客のニーズの調査や宣伝活動、プロモーションなどを実施し、商品やサービスが売れる仕組みをつくることです。
そもそも商品やサービスを販売するためには、誰に・何を・いくらで・どのように提供するかを考える必要があります。
そのために、顧客が何を求めているのかを分析し、効率的に売るための施策を考案しなければなりません。
またマーケティング戦略を策定するにあたって、PEST分析や3C分析、SWOT分析といったフレームワークを活用するのが一般的です。
これらのフレームワークの意味や有効性を学ぶのも、マーケティングの重要な要素の一つです。
経営組織論
経営組織論は、経営組織の在り方や作り方を論じる学問です。
組織が効率的に目標を達成するには、組織内部の合理性や機能性が欠かせません。
経営組織論では、これらの要素を体系的に理解しつつ、フレームワークを用いて最適化を図ります。
ちなみに経営組織とは、なんらかの事業を営み、目的を実現するために構成された組織のことです

組織は、人々が共通の目標に向けて協力する仕組みといえます。
そのなかで、人間の行動や意思決定、コミュニケーションやリーダーシップ、権限の分配など、あらゆる側面から分析・調整することが組織の運営には不可欠です。
そのため経営組織論では、メンバー(社員・従業員)間の関係性やモチベーションをいかに改善するかといったことが、課題として取り上げられます。
会計学
会計学では、組織内の資産の流れや予算の管理に必要な知識を学びます。
組織を運営するなかで、貸借対照表(P/L)や損益計算書(B/S)といった財務諸表を作成し理解できるのは当然のこと、組織の利害関係者への財務状況や営業成績の報告は非常に重要な業務です。
この業務を遂行するにあたって、会計の知識は欠かせません。
また会計は、ビジネスの共通言語的な機能を果たします。
事業を興すなら、会計学は優先して学んでおきたい学問といえるでしょう。
経営学を学ぶメリット

経営学を学ぶメリットは、経営の知識を多角的に理解できるようになることです。
具体的にいえば、以下のような例が挙げられます。
経営学を学ぶメリット(一例)
- 組織の仕組みや企業活動の原理がわかる
- 財務諸表から経営状態を読み解ける
- 自身の仕事の重要性・必要性を理解できる
- 人間関係の向上、チームビルディングを図れる
- 戦略的な起業プランを立案できる
経営学を学べば、分析力や問題解決力、マネジメント力など、ビジネスを有利に運ぶための力(知識)を得られます。
事業者に限らず、サラリーマンや非正規雇用の方にも有用な知識です。
起業した事業の成功率や業務成績をあげるだけでなく、アピールの仕方次第では就職・転職活動を優位に運ぶことも可能でしょう。
経営学を学ぶ方法

経営学を学ぶ主な方法は、次の4つです。
経営学を学ぶ方法
- 書籍を読む(独学)
- 動画を観る(独学)
- セミナーに参加する
- ビジネススクールに通う
経営学に関する書籍や動画コンテンツは、数多くあります。
コンテンツごとに難易度や扱うトピックは異なりますが、自身のレベルや興味関心に合ったものから手に取ってみるのがよいでしょう。
書籍や動画を用いた独学と比べると金銭的ハードルが高くなりますが、セミナーへの参加やビジネススクールに通うのも一案です。
講師に直接質問する機会が得られるため、独学では理解できなかった箇所も解決できるはずです。
本記事では、経営学に触れたことがない方におすすめの書籍を2冊、紹介します
前知識がなくても問題なく読めますよ!

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まとめ

今回は、経営学の概要を解説しました。
本記事の内容
- 経営学とは
- 経営学の基礎知識
- 経営学を学ぶメリット
- 経営学を学ぶ方法
経営学は、企業を主とした組織の持続と発展を目的とし、さまざまな課題の解決策を考えるための学問です。
経営戦略やマーケティングなどの知識を活かし、売上や利益の向上、組織運営の効率化を目指します。
経営学というと「大学に通わなければならないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、数多くの書籍や動画コンテンツがリリースされており、それらを活用すれば独学も可能です。
まずは基礎的な本を一冊手に取って、読んでみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
これから事業を始められる方の役に立つ知識であることは、間違いありません。