住宅の水回りをリフォームする流れと費用を解説

05/26/2024

※当ページのリンクには広告が含まれています

質問者

水回りのリフォームを考えているんだけど、何をすればいいんだろう

いくらかかるのかも心配だな……

住宅は、老朽化に伴いメンテナンスやリフォームが必要になります。
特に水回りは日々の暮らしの基盤となる場所であり、不具合が生じると生活に多大な悪影響をおよぼします。

とはいえリフォームは頻繁にやるものでもなく、多額の費用がかかるため、二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、水回りをリフォームする流れと費用相場を解説します。

本記事の内容

  • 水回りをリフォームする流れ
  • 水回りのリフォームにかかる費用の相場
  • 水回りのリフォーム費用を安くする方法
  • 水回りをリフォームする際の注意点

水回りの老朽化が気になる方や、費用を抑えてリフォームしたいとお考えの方は、ぜひご参照ください。

水回りをリフォームする流れ

まずは水回りをリフォームする際の、全体の流れを見ていきましょう。

ポイント

  1. イメージを明確にする
  2. 予算を決める
  3. 相見積もりを取る
  4. 施工会社を選定する
  5. 契約する
  6. 近隣住民にあいさつする
  7. 引き渡し

順番に、詳しく解説します。

①イメージを明確にする

水回りをどう直したいのか、完成後のイメージをご自身のなかで明確にしておきます。

故障している部分はもちろんですが、日頃使っていて不便に感じる点がないかも考慮しておきましょう。
修理・改善したいポイントを箇条書きで書き出し可視化することで、理想とする水回りのイメージが明らかになります。

水回りをどう直したいか明確にしておけば施工会社との打ち合わせもスムーズに進み、認識のずれも少なく済みます。

ご自身のイメージを書き出す際は、以下の例を参考にしてみてください。

イメージの書き出し例

  • 浴室をタイルではなく、樹脂素材やFRP床材にしたい
  • 風呂に追い炊き機能をつけたい
  • 対面式のキッチンにしたい

機能面だけでなく、理想とするライフスタイルからもイメージを膨らませてみましょう。
「湯船に浸かる際は、手足を伸ばしたい」「作業スペースの広いキッチンで料理をしたい」といった具合です。

同居するご家族がいらっしゃる場合は、リフォーム後に不満が募らないよう、家族会議などで意見を出しあっておくことをおすすめします。

②予算を決める

リフォーム後のイメージが固まってきたら、予算を決めます。

現在の資産額や今後のライフプランも考慮したうえで、多少余裕のある予算計画を立てるのが肝要です。

実際にリフォームするとなると「キッチンの入れ替えだけのつもりが、構造部分の改修も必要になった」など、イレギュラーが発生することは少なくありません。
追加工事は避けたいものの、作業を始めてみなければわからない部分もあるため、余裕のある予算計画が必要なのです。

ですが、リフォームをするからといって身の丈に合わない借金をするのは避けるべきです。
ご自身の収入や貯蓄、負債を踏まえて、無理なく支払える予算計画を立てましょう。

③相見積もりをとる

リフォーム計画が具体的になってきたら、、施工業者に問い合わせて見積もりを依頼します。

見積もりをとる際は、1社に限らず、同時に複数社に依頼しましょう。

これを相見積もりといいます。
相見積もりをとることで、各業者が提示する価格を見比べ、費用の相場観や適正価格を確認できます。

相見積もりの依頼数は、3〜4社が目安です。
依頼先が少なければ適正価格を捉えにくく、多すぎると情報の精査に手間がかかります。

「相見積もりは業者に対して失礼な行為なのでは?」と、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。
相見積もりは適正な価格で契約する方法として、世間的にも認められています。

それでも心配な方は、相見積もりであることを業者に前もって伝えましょう。
事前に了承を得ていれば、トラブルになることはありません。

④施工会社を選定する

見積もり金額が出たら、それを参考に依頼する業者を選定します。

とはいえ、金額のみを理由に依頼先を選ぶのは危険です。
業者のこれまでの実績や強みなどもリサーチしたうえで、検討しましょう。

極端に安い業者に依頼したら、手抜き工事をされた……なんて事態は絶対に避けたいですよね

いぐち

信頼できる業者の特徴を、以下にまとめました。

信頼できる業者の特徴

  • 施工内容に適した資格保有者が在籍している
  • 豊富な実績がある
  • アフターフォローがある
  • リフォーム瑕疵保険に加入している

これらを確認するにあたって、施工業者のホームページやパンフレットが参考になります。
大抵の場合、実績数や施工事例、アフターフォローや保険等のサービス内容が記載されています。

業者の保有資格を参照する際は、水回りのリフォームに関連性のある管工事施工管理技士やメーカーライセンスが有力です。

⑤契約する

施工業者とリフォームの契約をする際は、事前に契約書をしっかり読んでからサインをしましょう。

以下のポイントは、特に注意が必要です。

契約時にチェックすべきポイント

  • 契約内容
  • 保証内容
  • 工事後のメンテナンスの有無
  • 費用の支払い方法
  • 費用の支払い時期

契約書を読むのは大変ですが、トラブルを防ぐためにも隅から隅までチェックしておいたほうがよいですよ

いぐち

⑥近隣住民にあいさつする

工事が始まると、騒音やホコリ、振動、車の出入りなどが増え、近隣住民に迷惑をかけてしまうかもしれません。
そのため依頼者は、トラブルを防止するためにも、工事開始前に近隣住民に対してあいさつをしておく必要があります。

あいさつ回りをする際は、工事に伴い迷惑をかける旨と、スケジュール(工期)を伝えます。

リフォームに要する平均的な日数は、下記の表にまとめました。

リフォーム箇所工期
キッチン6日
浴室4~7日
トイレ半日~3日
洗面台半日~1日

なお、近隣へのあいさつを施工業者が請け負ってくれるケースもありますが、できるだけご自身で行った方が無難です。
自身が回ることで近隣住民から信頼を得やすくなり、トラブルの防止につながります。

⑦引き渡し

リフォームが完了したら、施工業者とともに仕上がりを確認します。
この作業を竣工(しゅんこう)検査といいます。

契約通りにできているか、汚れや傷がないか入念にチェックしましょう。
竣工検査できちんとチェックしておかないと、後々不具合が見つかっても対応してもらえないケースがあります。
特に汚れや傷はいつついたものか判断がむずかしく、「工事の段階でついたものではない」と言われてしまえば、それまでです。

竣工検査を終え問題がなければ、保証書や取扱説明書を受け取り代金を支払えばリフォームは完了です。

水回りのリフォームにかかる費用の相場

リフォームの流れが把握できたところで、各水回りのリフォームにかかる費用の相場を見てみましょう。

なおリフォームの費用は、住宅の状態やお住いのエリア、施工業者の料金設定によって異なります。
以下で紹介する金額は、目安としてご参照ください。

キッチン

キッチンの費用相場は、およそ50万〜200万円とされています。

施工内容費用相場
システムキッチンの交換50万~100万円
壁掛けキッチンを対面式キッチンに交換55万~200万円
キッチンの移動と交換100万~200万円

当然ながら、導入するキッチンのサイズやグレードによって料金は異なります。

また、広範囲の配管工事や内装工事が必要になる場合もあり、そのぶん加算されることは考慮しておかなければなりません。

浴室

浴室リフォームの費用相場は、およそ50万〜150万円です。

施工内容や既存の浴室の状態、新設する設備およびグレードによって金額が異なります。

施工内容費用相場
ユニットバス全体交換50万~150万円
在来浴室の全体交換50万~200万円
在来浴室をユニットバスに変更65万~150万円
浴室の交換・位置の移動75万~200万円
壁面の張り替え10万円
床面の張り替え6万円

上記の表に記載されたユニットバスは、防水性の高い素材で浴槽・天井・床・壁をユニット化し、現地で組み立てる箱型の浴室を指します。
ビジネスホテルにあるような、浴槽・トイレ・洗面所が一体になったものとは別物である点にご留意ください。

トイレ

トイレのリフォームの費用相場は、およそ15万〜60万円です。

施工内容費用相場
洋式トイレの交換15万~50万円
和式トイレから洋式トイレへの交換15万~60万円
トイレの交換・位置の移動20万~60万円
ウォシュレットの設置1万円

和式トイレから洋式トイレに変更する場合、床面の段差を解消するための工事が別途必要になるため、費用が高くなります。

洗面台

洗面台および洗面脱衣所のリフォームには、20万〜50万円程度かかります。

施工内容費用相場
洗面台の交換10万~50万円
洗面脱衣所全体の交換20万~50万円
洗面台・洗面脱衣所の移動20万~50万円

洗面ボウルが2口あるタイプや、ハイグレードの洗面台を選択すれば、そのぶん費用はかさみます。

水回りのリフォーム費用を安くする方法

限られた予算内でリフォームするとなると、費用の減額が必要なシーンもあるでしょう。

リフォームに伴う出費を抑えるには、以下の方法が有効です。

リフォーム費用を抑える方法

  • 水回りを一括でリフォームする
  • 設備や材料のグレードを下げる
  • 補助金・助成金を活用する

複数箇所をまとめてリフォームすると、費用が安くなるケースは少なくありません。
というのも、水回りを一括でリフォームしたほうが排水管工事を効率よく終わらせられるため、人件費や作業時間を削減できるからです。

また、設備や使用する材質のグレードを下げて減額を図るのも一案です。
費用を抑えたうえで満足できる、ちょうどよい塩梅の商材を、施工業者と相談しながら探してみてください。

リフォーム内容によっては補助金・助成金を活用できる可能性もあります。
補助金・助成金制度は地域ごとに異なるため、お住いのエリアの地方自治体のホームページを確認してみてはいかがでしょうか。

水回りをリフォームする際の注意点

水回りをリフォームするにあたって、いくつか注意点があります。

キッチンをリフォームする際は、調理台の高さに気をつけてください。
使用者の身長と調理台の高さが合っていないと、使いにくいうえに腰を痛めかねません。

調理台の適切な高さは身長÷2+5㎝が目安です。

浴室は入浴時の快適さと清潔感に配慮して、断熱性が高くカビに強い素材を選ぶのがよいでしょう。

また工事中の生活はどうするのか、前もって考えておく必要もあります。
キッチンならまだしも、風呂やトイレが工事期間使えないのは死活問題です。

工事が終わるまで実家で暮らす、近くの銭湯を探しておく、仮設トイレを設置するなど、適宜対策を検討しておきましょう。

まとめ

本記事では、水回りのリフォームの流れと費用相場を解説しました。

本記事の内容

  • 水回りをリフォームする流れ
  • 水回りのリフォームにかかる費用の相場
  • 水回りのリフォーム費用を安くする方法
  • 水回りをリフォームする際の注意点

キッチンや風呂、トイレといった水回りは、生活に欠かせない基盤となる場所です。
そのため、日々のメンテナンスと定期的なリフォームは欠かせません。

一般的に、10~20年に一度はリフォームが必要といわれています。

自宅の水回りで不具合が生じたり、古くなってきたと感じたりしたら、本記事の内容に沿ってリフォームを進めてみてください。

  • この記事を書いた人

いぐち こうき

二級ファイナンシャル・プランニング技能士のWebライター。前職は飲食店経営者です。 お金に関する知識を“中学生にもわかる言葉”でわかりやすく発信しています。

-コラム, 地方移住, 投資, 税金